サーチファンド第一号案件 売却完了のご報告
株式会社TRAYD INNOVATIONは、当社が初のサーチファンド案件として投資・経営支援を行っていた株式会社MARKE LINKについて、株式会社カルテットコミュニケーションズへの株式譲渡を完了したことをご報告いたします。
■ 売却の意義と背景
本件は、当社が展開するサーチファンド×地域企業支援モデルの実証第一号案件として2023年に実行したもので、「買い手が見つからない企業に対し、中継ぎ経営を通じて企業価値を高め、最適な譲渡先へつなぐ」というモデルの社会的意義と実効性を証明する事例となりました。
当初、MARKE LINKはLINEマーケティングのパイオニア企業として強みを持ちながらも、組織化や収益の安定性に課題を抱え、M&A市場において買い手候補が見つからない状況が続いていました。
当社は、広告代理店を傘下に持つシンバホールディングス株式会社と共同で資本参画し、経営チームの再構築、KPI設計、サービス改善、営業戦略の再設計などを実施。約1年で事業価値の再構築と収益性向上を実現しました。
■ 株式会社カルテットコミュニケーションズとの戦略的シナジー
売却先である株式会社カルテットコミュニケーションズは、リスティング広告運用に特化したプロフェッショナル集団であり、「広告運用 × CRM/LINE構築」の掛け合わせにより、統合型マーケティングソリューションを提供できる体制が整いました。
両社の強みが重なり合うことで、以下のような統合的な価値が見込まれます。
- 広告運用とLINEマーケティングのワンストップ提供
- 顧客のLTV最大化に向けた導線設計とデータ活用の高度化
- SaaS・自動化ツールとの連携による収益モデルの拡張
■ サーチャーとして参画した当社代表・玉城偉光 コメント
当時のMARKE LINKは、約1年間にわたる買い手候補企業からのデューデリジェンス(DD)対応が長引いた結果、創業者と組織の間に信頼関係のひずみが生まれ、組織崩壊寸前の状況に陥っていました。
しかし、そのような難しい状況下であっても、創業者である堤氏が有するLINEマーケティング領域の深い知見と先進性に私は強い可能性を感じていました。ToC向けの教育事業に偏重していた事業モデルを、ToB向けのマーケティング支援へと大胆に転換し、あわせて組織化を進めることができれば、必ず再成長は実現できる――そう確信して、サーチャーとして参画しました。
実際の経営参画においては、まずは社員との対話から始まり、経営、人事、プロダクト、財務など多方面にわたる課題と一つひとつ泥臭く向き合う日々でした。決して派手な手法ではなく、地道な信頼構築と愚直な改善の積み重ねこそが、今回の立て直しにつながったと実感しています。
サーチャーには「胆力が必要」とよく言われます。私自身、身をもってそれを実感しました。
情熱を持ち、現場に向き合い、最後までやり抜く覚悟のある後継者こそが、企業にとっての“変革の起点”になれるのだと思います。
今後、サーチファンドという手法を通じて、企業再生や事業承継に挑戦したいという方がいれば、ぜひ私たちとともに、日本の企業の未来を創る仲間として歩んでいきましょう。
■ TRAYD INNOVATIONとしての評価と今後
以下にご要望を反映し、TRAYD INNOVATIONとしての評価・実績と今後の展望を、魅力的かつ説得力ある文章にアップデートいたしました。
■ TRAYD INNOVATIONとしての評価と今後
本件は、TRAYD INNOVATIONにとって、サーチファンドモデルの有効性と再現性を実証する重要なマイルストーンとなりました。
- 「承継困難案件の再成長支援 → 譲渡成功」というロールモデルの確立
- 投資後わずか1年以内のEXIT(売却完了)というスピード感ある成果
- 地域パートナー(シンバホールディングス)との連携による複合的なバリューアップの実現
- 短期間で200%の企業価値向上という高い成果
当案件では、「サーチャー × 投資パートナー × 投資先企業」の3者が、それぞれの強みを最大限に活かしながら密接に連携することで、崩壊寸前の状態にあった企業であっても、短期間で再成長へと導けることを証明しました。
これは単なる投資の成功ではなく、「意志ある経営者が入り、信頼と戦略を再構築することで、事業は必ず立て直せる」という、地方中小企業に希望をもたらす象徴的な成功事例だと考えています。
今後、当社はこの実績を皮切りに、「地方にこそ、サーチファンドの力が必要だ」というメッセージを全国に発信していきます。
地域で埋もれている価値ある企業を、熱意ある後継者とともにアップデートし、次の成長ストーリーを描いていく――TRAYD INNOVATIONは、そんな未来を創る挑戦を続けてまいります。